■F版世界観-魔(the dark)について
 運命の輪において初めて出てきた概念で、暗黒道とも関連しそうではあるが具体的な説明は作中ではされていない。
 人間も“魔”の系譜に連なる種であり、人間を“地上人”と呼ぶベルゼビュートとはそう差はないという。
 ベルゼビュート曰く人の魂が「私たち“魔”」から生まれたという事実がある限り、“光”を欲したとしても近づけない。自分の命を懸けてまで成し遂げたいという願望。心の奥底に眠る原始的な欲求が死者の宮殿に相応しく誰よりも魔に近い。
  魔を研究していた古代高等竜人は、知識がなくても手軽に使える魔法呪文や死者の指輪などを作ったらしく、魔法は“魔”を利用したものであるらしい。
 また魔は転生の術にも関連してる可能性がある。ゲオルギイによると生身の身体がなければこの世界に留まれない。“生身の身体”を欲している魂はたくさんあり、デニム達に倒されたゲオルギイや新しい肉体を求めるベルゼビュートもその一人。死者の宮殿がある限り、“地上人”は欲望を満たすために訪れ、彼らはいつでも肉体を手に入れることができるという。
 死者の宮殿の祭壇で二バスは魔と一体化し認められたという。「肉体さえあればいつでも」とあるのでゲオルギイ達のように他者の肉体を奪うことが可能になっていると思われる。ウォーレンやデネブも転生の術が使えるようなことが示唆されているが彼等もニバスのように魔と一体化しているのだろうか。
 ただウォーレン自身は7章でカオスゲートに囚われた後魔界の“魔”から身を守る術を知っており、かろうじて凌いでいたとも語っているのでウォーレンが使えるらしい転生の術はまた違ったものなのかもしれない。
□その他魔関連
■スケルトン・ゴースト
 死者の宮殿で力を借り、死者の本を用いて発動する禁忌の秘術ベリアルリチュアルにより、生ける屍「ゾンビ」を更に魔に近づけ、「スケルトン」「ゴースト」に転生させる。
■ダークロード
 かつて“覇王”と呼ばれていた英雄が“魔”に侵されて異形の姿となったもの。その力は人間を超え、神の領域まで達している。生前の記憶はほとんど失われ、生に対する憎悪と現世に対する執着心のみで存在している。
■レヴァナント
 深い恨みを持った魂に“魔”が融合して生み出された幽鬼のこと。その魂はかつて覇王ドルガルアの好敵手であったブリガンテス王のロデリックその人である。
※魔に囚われた者(ドルガルアやロデリックの魂)は角や牙を生やしたオウガのような異形の姿をしていた。(ちなみにオリジナル版のダークエレメンタルは肉体を失ったドルガルアの思念体となっていた)
■デスナイト
 屍霊術によって再び動き出した屍人の騎士。能力のほとんどが“魔”の力によって補完・強化されている。」
■ブギーマン・ボガード
 朽ちたカボチャ人形に“魔”が取り憑いたことで動き出した邪悪な怪物。
■レイヴン
 “死の天使”と呼ばれる闇の有翼人。色欲や強欲など、7つの大罪を犯して戦場に倒れた者が“魔”に触れたことで復活を遂げたようだ。
■レヴァナント
 深い恨みを持った魂に“魔”が融合して生み出された幽鬼のこと。その魂はかつて覇王ドルガルアの好敵手であったブリガンテス王のロデリックその人である。 
松野作品と魔
 オウガ以外の松野作品には魔法と関連して“魔”という概念が出てくるものがある。
 イヴァリースにおけるミスト(魔霧)、ベイグラにおける“魔”、クリムゾンシュラウドにおける“魔”など。
 ゼテギネアとは世界も物語も別なので設定は違っていると思われるが類似してる部分があると思われる。
 話と世界は別だがグラン・グリモアと魔、オウガのカオスゲートなどは基本的な考え方は同じかもしれないとのこと。※1
 運命の輪において、ドルガルアが己自身に疑問を持ちそうになった時カオスゲートが語りかけてくるといった場面は、ベイグラにおけるグリッソムの魂が自分の身体に取り付いてゾンビとなったことを同僚に告げられ動揺した時に、街(恐らく魔法陣のグラン・グリモア)が話しかけてきたのと似たような場面に思える。
 ただカオスゲートについてどういう存在かについては8章でやる予定だったらしくどういう存在なのかは不明である。
※1 2011年6月29日松野氏ツイートより(ただし英訳のためニュアンスは違うかも)
ベイグラ トストーリーにおける魔
 世界と物語は別であるが、以下ベイグラントストーリーにおける魔について。
■魔とは
 “魔”とは実体のないパワーで、これを利用した術を魔法という。
 “魔”は風邪や黒死病のように本人の気づかぬうちに身体を冒していく(あるいは感染という)。
 魔に冒された者は魂自身が滅びず、永遠にこの世をさまよう“不完全な死”を宿命付けられる。そのかわり本来人間が持つ特殊な能力(個人によって能力は様々で他人の心理を読むなどがある)を身につけることができる
 。その能力は負の能力で普段存在してはいけない能力だという。その能力を取り戻すには負のパワー“魔”に触れる必要がある。“魔”を取り込み、感染度を高めることでその力を高めることができる。
 また魔を制御するのは困難で、付け入るスキを与えると、魂を魔に喰われる。どういう状態なのかは不明だが一つの症状として力がみなぎるという。他者に影響を及ぼす力を受けた場合、付け込まれることのないように、精神力を強く持つことで防御することができる。この制御を“支配”等という。召喚などの強い“魔”を用いるにはそれ相応の魔力を必要とする。限界を超えた魔法を使うと“魔”に喰われてしまう。

※オウガにおける魔においては今のところベイグラのような個人別の固有の能力が発現するということはない。
 
■死
 人の本質は魂であり、肉体は単なる器にすぎないというのがバレンディアの一般的考え。人の死により、魂も消滅すると考えられるが、魔に関わった者は魂が不滅となり、致命傷を受けると肉体は塵と化すが、魂は消滅せず骸を求めさまよう。これを不完全な死という。
 成仏できない者達は“生”がうらやましいらしく、魂を失った肉体を見つけるとすぐに入り込み、生きる屍となる。
 しかし、中には致命傷を受けようと身体・魂とも滅びず、強大な魔を自由自在に操ることができる者がいる。これを完全なる不死(the true undeath)という。

※オウガにおいては人の死によって魂も消滅するというわけではなさそうであるがニバスが魔と一体化した後、魂だけで存在して他人の肉体を奪うことが可能となっているようなので、不完全な死とある意味似たような側面があるかも。
 
■魔界
 魔物やモンスターが住む異世界で、魔も本来は魔界に存在するものである。魔物は伝説の存在とされているが古代の人々にしばしば目撃されている。魔界から化物を召喚することが可能で、シドニーは聖印騎士団に対抗するため召喚を行っていた。しかし、化物を制御できる人間はある程度の力が必要である。魔界の住人をシドニー達は“馬”と呼んでいる。モンスターは太陽の光を嫌うのか夜にならなければ地上には出てこないという。

※ザドバは“魔”が支配する世界で生きる者とのことなので、オウガにおける魔界は“魔”が支配する世界と思われる。
 魔界に行っていたと思われるウォーレンも魔を守る術でかろうじて凌いでいたということなので、魔界は地上よりも“魔”で溢れているのだろう。
 
■魔都レアモンデ
“魔”に触れた者は不思議な“能力”を身につけることができる。“能力”を手にするためには“魔”が必要。しかし、“魔”はそう簡単に制御できない。そこで議会は古代キルティア時代に伝説の魔導師メレンカンプが築いた魔都であり、“魔”とのつながりが深いレアモンデに結界を張り、“魔”を放し飼いにすることにした。そのためレアモンデを牧場などと呼ぶ。
 そしてより多くの魔を魔界から呼び寄せるため、ダオとマリッドを召喚し(これはバルドルバ公爵が行ったのだろうか?)“撒き餌”となる魂を作る為に大地震を発生させ、魔都を水に沈める。
 また結界は魔都に現れた魔物を外に出さないためのものでもあると思われる。

※古代高等竜人達の遺跡、死者の宮殿は魔都レアモンデみたいなものなのかもしれない。
 魔界へのカオスゲートは起動してないものの番人の台詞から“魔”の影響がかなりあるらしく、死者の指輪や死者の本は死者の宮殿の特定の階層でしか使えなくなっている。ニバスが地上でも死者の指輪を使えているので魔の扱いに長ける者や古代高等竜人ならそこまでの制限はなさそうですが、魔界へのカオスゲートに祭壇やら遺跡やら作って魔界からの“魔”に対する恩恵を得ようとしていたのかも。ただし極力その影響が外に出ないようにしているためのダンジョンなのでは。それでもボーテーゲン平原は死者の宮殿からの邪気で毒沼となってますが。

 
■存在場所
 レアモンデ以外にも魔は存在するらしく、法王庁はレアモンデを手中に収めるため、魔の存在する場所で聖印騎士を魔に感染させ能力を開発していた。

※ベイグラもオウガも、カオスゲートや魔都といった魔の影響が強いところでなくても魔法を使用することはできている。。
 オウガバトルで疑問だったのか、天界の神が魔界へのカオスゲートを破壊するなりウォーレンのように使えなくしたりまではしてない点です。そうしてしまうと“魔”の利用に影響が出て、剣と魔法の世界の魔法の部分が失われるといった点があったのかも

 
■グリモアGrimoire
 古代キルティア時代では魔法が日常的に使用されていた。魔法は魔を利用した術のことであり、古代伝承学the chroniclersを信ずれば誰でも扱えるようにしたのがグリモアと呼ばれる呪文書。メレンカンプがこのグリモアを作成し魔の利用法を広めたとされている。
 究極の魔法を記したグラン・グリモアというものがあり、これを使用したものは「世界の盟主たる力」を手にする契約を結ぶことができるという。

※オウガにおいては魔を研究していた高等竜人が知識はなくても使える魔法呪文を開発している。オウガにおいてはメレンカンプの役割の一部を高等竜人達が果していたのかも。

 
■グラン・グリモアGran Grimoire
 メレンカンプ自身が遺したと思われるグラン・グリモアは、古代キルティア文字の“呪詩”が魔都レアモンデ中の建物全てに刻み込まれ形成されている巨大な“魔法陣”のことであり、レアモンデ全体がグラン・グリモア。
 究極の魔法はひとつの契約にすぎないが、世界の盟主たるゆえんとなるという。
 グラン・グリモアの真の力を引き出すにはその所有者にならなければならず、グレイランド事件当時の所有者はバルドルバ公爵であった。
 『血塗れの罪』The Blood-sinと呼ばれる鍵を持つ者こそ、その後継者の候補。後継者は本当に結びついた“魂(ファントム)”phantomを生け贄にして、その所有者となることで魔の力を自由に操ることができる。所有者が後継者のいないまま死ぬと全て終わるとのことだが実際どうなるかは不明。
“鍵”である“血塗れの罪”とはシドニーの背中に彫られた入墨のことである。シドニーが血塗れの罪を奪われた後、“不完全な死”を遂げたことから、この『血塗れの罪』によって“完全な不死”を得ていたと思われる。
 魔都の所有者としての契約が行なわれるとメレンカンプと同じように背中にホーリーウィン(血塗られた聖印Holy win)が浮かび上がるものと思われる。この血塗られた聖印は魔界の死刑執行人デスの背中や死の天使ザルエラの召喚する髑髏の額にも描かれており、魔界との関係が考えられる。しかし特殊技ブラディシンでは「血塗れの罪」から光と闇が混在した波動を放つなどすることから、神聖・暗黒どちらの特性を持ったものかもしれない。
“魔”を望む者には“魔”を支配することはできない。グラン・グリモアを制御できるのは、グレイランド事件で後継者となったアシュレイのように魔を望まないが、魔を支配する能力に長けたものでなければならない。

※オウガにもアイテムとしてグラン・グリモアは登場するがあくまでファンサービスだろう。

 
■その他
“魔”の影響よって動き出したものには古代キルティア時代に埋葬された死体マミー、ドラゴンの屍ドラゴンゾンビ、邪神像カーリー、主を失った影シャドウや“魔”にとりつかれた甲冑デュラハン、“魔”が宿った頑強な甲冑ダーククルセイダー、“魔”に汚染された聖騎士の甲冑ラストクルセイダーなどがある。
“魔”の影響によって性格に影響を与えた例としては、極めて好戦的となったスケルトンや生者を見境なく襲ってくるゴースト、邪悪な魔物と化した本来穏やかな精霊アースエレメンタル、より凶暴となったシルバーウルフなど。
“魔”の影響を強く受け、攻撃力・機動力の向上した例としてダークスケルトン。
“闇”を司る低級の精霊ダークエレメンタルは“魔”に近い存在だという。
“魔”の力によって巨大化した蟹クラブジャイアント。
“魔”はメレンカンプの時代以前に製造された機械仕掛けの邪神像ラーヴァナの原動力となっている。
 


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