■F版世界観-ゼテギネア神話
 
 『ゼテギネア神話』は紀元前4000〜3000年頃にバルカン半島東岸、エーゲ海、黒海、カスピ海に囲まれた周辺地域で広く信仰されていた。紀元前3000年頃に小アジアを中心とする地域をヒッタイト人によって統一されるまでは、このゼテギネア神話に登場する神々が崇拝の対象となっていた。それは19世紀の後半に大規模な発掘調査が実施され、その際に出土した古バビロニア期(紀元前1900〜1700年頃)のもので、シュメール語の楔形文字で書かれていた粘土書板『古ゼンダ』から詳細な内容が明らかにされた。(フィクションの設定です)
 
□始原
 
 その始源、世界は天と地の区別はなく、スープのような状態であり、ただ虚無だけが満ちていた……。一筋の光がその世界に生まれると、光は闇を作り出した。光からガリンガ、闇からはウンディガという二人の巨人が生まれ、互いにいつ果てるとも終わらぬ戦いを始めた
 
□黎明期の天界
 
 黎明期の天界では天神ボラが君臨し、妻の地神アネムと共に圧倒的な力で支配し、悪行を繰り返していた。彼等は最初の子、炎の神ゾショネルをはじめ神々を生み出し、またその神々から別の神々が誕生していく。
 炎の神ゾショネルはフィラーハやバセクサたちの姉にあたる。天空の神々の中でももっとも強い力を持ち、その力は太陽神フィラーハをも凌ぐといわれている。彼女自身も己が力を悟っているため、誰の側にもまわろうとしない。ただし、自分に助けを求め自分の力を必要としている者には、できる限りの手助けをしてくれるという。甲冑で見えないが、個々の清らかさと同じようにその素顔も美しい女神であることだろう。
 海の神バセクサと大気の神フォーラの間に水を司る女神グルーザが誕生する。嫉妬深い処女神としても知られており、夫である快楽の神ザムンザが浮気するたびにその姿を竜に変えて嵐を呼ぶと言われている。
 知の神ホルプと正義の女神フェルアーナの間に風を司る女神ハーネラが誕生する。彼女の足跡からゼピュロスやエウロスなどの東西南北の風の神々が生まれている。
 雲の神アランダと正義の女神フェルアーナの間に生まれた雷を司る女神ネッサローが誕生する。裁きの神とも知られており、「歯車」は秩序を意味している。
 
フィラーハの反乱
 
 太陽神フィラーハは弟の海神バセクサら兄弟神は自分たちの親である天神ボラと地神アネムの悪行を見かね、力をあわせて戦いを挑む。永きにわたる苦闘の末に死をもってその罪を償わせた。ボラは死の間際に最後の力を振り絞り、その見より流れ出た血から一柱の神を創造する。目の眩むような輝きを放る聖なる女神、光と戦争の神イシュタルの誕生である。赤い血の海から生まれたにも関わらず一点の穢れもなく、彼女は白いドレスと甲冑をまとい、手には白銀の剣を携えて誕生した。ボラは虫の息で生まれたばかりの娘にフィラーハを討つことを命じたが、聡明なイシュタルはボラの悪行を恥じ、フィラーハらに従ったという。フィラーハはイシュタルを快く迎え、妹として神々の仲間に加えた。白いドレスは純潔を表し、また甲冑と白亜の剣は勝利を意味している。人々は戦いに大義を与え、勝利と栄光をもたらす神として崇めた。
 天神ボラと地神アネムの死によって天と大地が分かれ、世界が誕生した。天と大地が切り離されるときの“きしみ”の中から生まれたのが民からは豊穣神として崇められると同時に、死者の旅立ちを見送る嘆きの神として葬礼の儀式の対象ともなった大地の神バーサである。
 地神アネムの死を嘆き悲しんだ山の神モラダの涙から氷の女神リューネラムが誕生し、それと共にモラダの涙は凍り付き、広大な凍土と氷河を生み出したという。
フィラーハとデムンザの争い

 フィラーハが天界の主にならんと長兄デムンザとの間で争いが起きた。
 氷の女神リューネラムはデムンザ側に付き従い戦った。さすがのフィラーハも、その太陽の熱すら反射する絶対零度の氷の壁に阻まれ、進軍を諦めた程だ。デムンザはリューネラムの庇護のもと冥界へ下り、王となったが、リューネラムはそれを見届けるとフィラーハに降伏した。フィラーハは寛大の心でそれを赦し、天界の神々の席を与えたという。
 こうして天界はフィラーハを主に迎え、新しい時代が訪れた。
 海と共に生きてきた者達にとって風に対する尊敬の念は強く、風の神ハーネラは海の守護神としても崇められている。
 水の神グルーザはイシュタル同様に甲冑と槍を持った姿で誕生したことから天界では50万の水軍の指揮官としてフィラーハに仕えている。一部の地域では古くから信仰の対象とされており、特にグルーザを唯一絶対の神とするバスク教は「復讐と力」の象徴として崇めている。
 雷神ネッサローは一部の地域で長年、その平等さ、公正さから虐げられた民が信奉することが多い。
 大地神バーサはアネムにかわって大地を司り、フィラーハと協力して大地に恵みを与え生命を作り出したとされている。しかし娘のダニカを冥界の王デムンザに奪われた悲しみから、その恵みを地上と冥界へ二分しなければならなくなった。そのため地上には季節が生まれ、盛衰が誕生したといわれる。
 神々が人間を創生した頃、魔界では悪魔達がオウガと呼ばれる悪鬼を作りだし、下僕とした。オウガは人間とはまた別の生き物で光よりは闇を好み愛や正義よりも力と戦いを好むという。
 一方で人は“魔”の系譜に連なる種であり、その魂が“魔”から生まれたものである以上光を手に入れることも近づくこともできない存在であるともいう。
 太古に起きた神々の戦いで巨神タイタンは命を落とし、その肋骨から賢者の杖が作られたという。
※自分の命を懸けてまで成し遂げたいという欲望、その原始的な欲求を持つ死者の宮殿を探索するデニムのような者こそが“魔”に近いという。
 実際“魔”に囚われた者は異形の者となり、ドルガルアやロデリックは角が生え、オウガのような姿となっている。
 具体的に魔については不明だが、松野氏によれば話と世界は別だが松野作品のベイグラのグラン・グリモアと魔、オウガのカオスゲートなどは基本的な考え方は同じかもしれないとのこと。魔は暗黒道とも関連しそうであるが具体的には不明。
□天空の島
 
 神の時代に空中に打ち上げられた天空の島。
 神の力、その魔法力で浮いている。人類の英知のおよばぬ技術によって永遠に空中に浮かんでいる。
 後に争いの絶えない下界から逃れてきた者達が天空の民となったという。
 ゼテギネア大陸の上空にはオルガナ・ムスペルム・オルガナ・シャングリラの4つの島が浮いている。
 オルガナは天界の流刑地とされる。
 シャングリラは天空の神々の一人、正義を司る女神・フェルアーナの神殿があることから天空に浮かぶ王宮、天宮とも呼ばれ、数多くの財宝があったという。

古代ボルセニア期
 
 人間が文明を持たぬ古代ボルセニア期、ゼテギネア大陸とその周辺に古代高等竜人the Dragon Lordたちが築いた巨大文明が存在した。今日まで続く魔法文化は彼らが築いたといわれ、その多くは彼らの滅亡と共に失われた。
 “魔”を研究した高等竜人達は知識はなくとも手軽に使える魔法呪文や死者の指輪などを作り出したとされる。
 竜言語魔法は高位精霊の力を借りて強大な力を発動する魔法であり、竜言語魔法を人間の言葉で解釈し再構築したのがゼテギネア期で行使される精霊魔法等である。再構築された魔法の中には発動させた周辺の自然に異常をきたすほどの威力のあるものもあり、人間族が「禁呪」認定している。
 人間族が竜言語魔法を使用するには古代高等竜人がパワーストーンとして身につけたといわれる魔水晶、竜玉石を触媒にする必要がある。
 彼等の竜言語魔法によって空に浮かぶ浮遊都市※1が存在し、高等竜人滅亡後も浮遊し続けている。 魔法の詳細は不明だが見た目は普通の石灰岩が浮遊石となっている。
 ハイム戦役当時もゴバンダ湾近くにその浮遊都市が浮かんでおり、上空で大きな島が浮かんでいるのを見たという目撃情報が噂となっている。

 高等竜人達の作ったダンジョンの伝説※2がゼノビアやヴァレリア等各地に存在し、そのダンジョンにはカオスゲートが存在するものもあるという。
 そのダンジョンにあたるのがハイリンハム宮殿(空中庭園の)地下に存在する巨大な洞窟や古代の遺跡、アスモデの神殿(死者の宮殿)などと思われる。
 カオスゲートは神がつくりたもうた神の道。何処かと何処かを繋ぐ門であり、その門の先が大陸の別の場所なのか異界なのか様々。人間族には聖剣の力でも借りなければ目に映らないという。 しかし強力な魔力をもってすればカオスゲートの発見・封印解除は可能であるらしく、キャターズアイを手にし強大な魔力を手にしたラシュディは聖剣に頼らずカオスゲートを発見・封印を解除している。
 またゼテギネア期からみても高度な武具の合成技術や機械技術を持っており、一部には再現不可能な技術も存在する。工匠ダイダロスの技術を弟子達が編纂し遺したダイダロス秘伝書の中には天界を守る十弐神将との交信に用いられる機械仕掛けの音叉が記されている。
 その他死者の魂の解放、禁忌の秘術リーンカーネーションの為に転生紋印などを作っている。
※1 松野氏のツイート(2011/11/8)で語られた設定で 、元々半壊した高等竜人の作り上げた浮遊都市がありサン・ブロンサ遺跡はそこに登る為の塔だったと思うとのことだが、運命の輪の設定とは違いが生じている。運命の輪では 禁呪よって古代都市・サン・ブロンサごと大地が消滅しゴバンダ湾ができたと思われていたが、ゴパンダ湾に古代都市に存在した巨大な塔が建っていることが判明、消し去られたと思われていた都市は禁呪の力で空に浮かぶ島になって存在していた ことになっている。
※2 その伝説はゼノビアやヴァレリアなどにも存在している。そのダンジョンにあたるのがハイリンハム宮殿(空中庭園)地下の古代に建造された遺跡やアスモデの神殿(死者の宮殿)。
※人間族にも使える武具を生産していたことから、姿は人型であったと思われる。彼等の遺跡にはドラゴンのレリーフが施された竜門などが見られるが竜人とはいかなる姿だったのだろうか。 松野作品のFFTのドラグナーのように人の姿をしているが竜の血族みたいな設定なのかフォーゲルのように人型ドラゴンなのか。
※強大な魔力でカオスゲートを発見・封印解除ができることから、古代高等竜人族はカオスゲートを発見することができその周囲に遺跡を作っていたのかもしれない。 高等竜人達の天界や魔界へのスタンスは不明で、工匠ダイダロスは天界との交信用の道具を作る一方で、「死者宮観光案内書」というアスモデ神殿ショートカット用ガイドブックの合成技術を遺している。
※天空の島は神が打ち上げたとなっているが、竜言語魔法で都市を浮かせていたという古代高等竜人は関係しているのだろうか。彼らが作った死者の宮殿では魔界の力の影響を受けて特定の箇所で死者の本や死者の指輪が使えるようになっていた。(高等竜人なら死者の宮殿の力を借りなくても転生が可能なのかもしれないが。サン・ブロンサではカオスゲート自体は出てこないものの、高等竜人が死者の魂を開放し新たな肉体を与える転生紋印(秘術リンカーネーション)を行使できたり、高等竜人の関連は不明だがディバインナイトに転生できる血塗れの聖印(秘術ヘヴンズゲート)は特定の階層で 使うことができる。ヴェパールはそれをフィラーハの奇跡、祝福の地と語っているが天界と関連するかは不明。
 伝説〜で登場した天空の島は高等竜人が天界の力を得ようとして作ったものだったりするのだろうか。
 
□天界の十弐神将the Twelve Heavenly Generals
 
 天界を守護する十弐神将。高等竜人の工匠ダイダロスが彼等との交信に用いる機械仕掛けの「十弐神将の音叉」を開発している。
・第一ノ将ビジャ
 ビジャは十弐神将の中でも最も武に秀でているといわれており、腕に取り付けて使う宝器「毘沙門」(びしゃもん)を携えていたとされる
・第二ノ将エーニャ
 エーニャは罪を犯した人間に罰を与えると言われており、宝剣「閻魔」(えんま)を携えていたとされる。
・第三ノ将マイトレーヤ
 マイトレーヤは人々に救いをもたらすと言われており、宝剣「金毘羅」(こんぴら)を携えていたとされる。
・第四ノ将イジャーナ
 イジャーナは病や災厄を打ち払うと言われており、宝剣「伊舎那」(いざな)を携えていたとされる。
・第五ノ将チャンドラ
 チャンドラは月の力を借りて戦うと言われ、宝斧「戦捺羅」(せんだら)を携えていたとされる。
・第六ノ将ヴァーユ
 ヴァーユは十弐神将の中で最も智に秀でていると言われおり、宝槍「伐折羅」(ばさら)を携えていたとされる。
・第七ノ将ヴァジラ
 ヴァジラは人間のあらゆる欲望を打ち砕くと言われており、宝槌「金剛杵」(こんごうしょ)を携えていたとされる。
・第八ノ将ラクシャ
 ラクシャは破壊と滅亡を呼び寄せると言われており、宝刀「羅刹」(らせつ)を携えていたとされる。
・第九ノ将アフラマ
 アフラマは神将でありながら“魔神”や“悪鬼”のようだと言われており、宝刀「阿修羅」(あしゅら)を携えていたとされる。
・第十ノ将アスラマ
 アスラマは神の教えを守り、説く魔人と言われており、宝棍「婆加羅」(しゃがら)を携えていたとされる。
・第十一ノ将アディティ
 アディティは人々の障害となる魔人と言われており、吹矢「羅吼」(らごう)を携えていたとされる。
・第十二ノ将サルンガ
 サルンガは神から与えられた弓矢で魔神を射たと言われており、聖なる弓「波夷羅」(はいら)を携えていたとされる。
 
□ヴァレリアの神殿を護る守護獣
 
 ヴァレリア諸島には風・土・雷・水・火・氷を司る6柱の女神の神殿があり、ガーディアンが配されている。
・風の守護獣ヴァイナテーヤ
 風神ハーネラの天翔る戦車を引く鳥として知られる。恵みの春を告げる暴風を呼ぶ“神鳥”として信仰の対象にもなっている。
 ハーネラの神殿のガーディアンとなる。
・地の守護獣ナサローク
 地神バーサが下僕として作ったとされる人の姿をした獣人。“猛獣”と異名をとるほど凶暴な性格のため、バーサは番犬役として用いたといわれている。バーサの神殿のガーディアンとなっている。
・雷の守護獣ソロトル
 オウガバトルの時代から生き残っているとされる“雷獣”と呼ばれるモンスター。暴虐な振る舞いで人間の生活を脅かしていたが、雷神ネッサローの加護を受けた英雄たちによって捕獲される。その際使用された身長をはるかに超える長刀が退治の際に中程で折れてしまい、大太刀「獅子王」となった。その後ネッサローの神殿のガーディアンとなっている。
 宝剣「ソロトル」を護り、その宝剣にはソロトルの魂と力が宿るという。
・水の守護獣トラロク
 水神グルーザが愛しい息子を失った際に流した涙から生まれたとされる。トラロクは雨の神、災いの神とも呼ばれ、洪水や嵐を引き起こすため荒ぶる神として人々から恐れられている。グルーザの神殿のガーディアンとなっている。
・火の守護獣イーフリート
 高位の精霊としてその名前が知られている炎の魔人。以前は人々の生活を脅かす恐ろしい魔物として君臨していたが、その行為を見かねた炎神ゾショネルが壷の中に封じ、反省したのを機にゾショネルの神殿の守護に任じたとされる。
・氷の守護獣リヘンツェル
 鳥の身体にカメの甲羅と蛇の尾を持つキメラ。悪逆非道な王を懲らしめるために氷神リューネラムが作り出したとされる。
 リューネラムの神殿のガーディアンとなる。

 
古代ゼテギネア時代
 
■暗黒神アスモデとギャンブル
 諸説あるが、錬金術師ガッサムは暗黒神アスモデを召喚し、あるギャンブルに勝利したことで、暗黒神アスモデは人間に手助けをするようになったというのが通説。
■天空の三騎士
 天空の島のひとつ、シグルドで大異変が起こった
 それは一人の騎士フォーゲルが起こした忌まわしい事件。
 フォーゲルは才能あふれる騎士だったが同時にはなもちならない自信家でもあった。 たとえ騎士団のナイトであってもかれからみれば赤子も同然。彼は世界で最強の騎士だった。
 フォーゲルは更なる力を目と目そしてついに、暗黒道を極めた。彼はより強い相手を求め世界を旅した。
 天竜と呼ばれる幻のディバインドラゴンがいるという噂を聞き、シグルドへたどりつく。
 ディバインドラゴンの戦いは7日7晩に及び、フォーゲルが勝利した。
 しかしドラゴンの呪いを恐れ、喜ぶ者はいなかった。呪いはドラゴンの死と同時に始まり、シグルドの大地が崩壊をはじめ南北に島は分かれた。崩壊だけでなくフォーゲルはその姿を呪いによってドラゴンに変えられた。彼はその罪を償うため神の命令によって天空の騎士となった。
 また下界の戦乱で戦ったスルスト・フェンリルが天に召された時に聖なる父から永遠の命をあたえられ、神の戦士として生まれかわった。
 赤炎のスルスト、氷のフェンリル、竜牙のフォーゲルは天空の三騎士と呼ばれるようになり、ドラグーンと呼ばれる最上の騎士位に就く。『竜騎兵』とも呼ばれドラゴンなみの攻撃力と 防御力を誇る。
 
十二使徒
 
 慈悲の心を魔力にかえることのできるいわば白き魔導師。その善なる心を神に認められ神に仕える12人の賢者。
 その証として聖なる父の祝福がこめられ神の力を秘めた宝石を1つずつを持っていたといわれる。
 12人の中で最も優れた賢者、ドュルーダ。白き魔道を極め更なる力、暗黒の力を求めた。神を裏切り自身の使徒の証『キャターズアイ』を用いて魔界との契約を行ったという。
 ドュルーダを恐れたほかの賢者達は彼の魔力を『キャターズアイ』に封じ込めた。天空の三騎士は新たにひとりの賢者を迎え入れて十二使徒とした。魔力を失ったドュルーダのその後は不明となており、13番目の使徒などと呼ばれるようになる。
 ドュルーダの魔力を封じた裏切りの使徒の証『キャターズアイ』は他の十二個の使徒の証と比べものにならない魔力が秘められ、この石を持つ者は強大な力を手にするだけでなく、魔界からどんなモンスターを呼び出すことができ、魔界の神達と自由に契約できるといわれる。

イヴァリース(FFT)のゾディアックストーンは元々オウガに登場した12使徒の証の設定だが、フ ァンタジーの定番ともいえる天界・魔界の門を開く機能と共に使う者によってその効果が異なるという仕組みを盛り込んだとのこと。
 
オウガバトル
 Ogre Battle Saga Episode1
 
 今では冥界だけでなく魔界までも統べるデムンザの策略によって、人間たちはオウガと大地の覇権を巡って争わねばならなくなった。
 戦いは何千年にも及び、戦火は地上だけではなく人間は天界の神々、悪鬼は魔界の悪魔達をそれぞれ味方につけ大戦争となった。
 冥界の王デムンザに従い108の軍団を率いた暗黒神アスモデ、多数のオウガを従えた暗黒神ディアブロ、悪魔やオウガどもを統べていた魔界の将軍の一人暗黒のガルフ 、オウガと共に戦った伝説の巨人ヴィラート、魔神たちは超大型の魔鳥ルフを乗り物とするなど軟弱な人間は悪鬼たちの圧倒的な戦力の前に為す術なく、滅亡の寸前まで追いやられたという…。
 ついに人間がカストラート海の淵に追い詰められた時、3人の騎士と12人の賢者達が天空から舞い降り、最後の決戦に挑む。
 彼らは大地と魔界をつなぐカオスゲートを封印、悪魔の助力を断ち切ることに成功し形勢はまたたく間に逆転した。鬼達・魔神たちを滅ぼし、そして魔界へと封印した。
 封印された破壊界ディアブロは何人たりとも立ち入る事を禁じられた聖地シャリーア島に住んでいた異教徒に崇められた。
 暗黒のガルフは最後まで天界の三騎士に抵抗し、アンタリア大地まで逃れてきたが、最後は三騎士に魔力を奪われて封印された。その際、北の山々に沿って封印を施し魔界と契約した人間達を一緒に閉じ込めた。その後彼らの末裔も封印から外へ出ることができずイノンゴの町に住むようになる。アンタリア大地は別名『封印の地』と呼ばれる聖地となり、年に1度カオスゲートのある小島で封印の儀式が行われるようになった。
 暗黒神アスモデは戦いに敗れたことでその能力のほとんどを封じられてしまったが、いまだ人間のかなう相手ではない。現在はこれといって悪事を働くこともなく、ときおり人間のために力をかすこともあるとされており、アスモデの気まぐれなのか、はたまたガッサムの知略なのか定かではないが、とりあえず敵対するような相手ではないようである。
 魔界から召喚された魔神が戦いで破れ、その死体が化石となったらしく魔神の骨として残っている。
 こうして人間が勝利し、戦いを終えた三騎士は天空へ戻り、12人の賢者は野に下り地上人に多くの知識を与えた。神の教えを人々に伝えたことから賢者達は神の十二使徒と呼ばれるようになる。後世多神教が当たり前の時代に神の啓示を受けた預言者が現れ、フィラーハを唯一神として広めたフィラーハ教は十二使徒の教えが元となっていると考えられ、更に後世フィラーハ教を元にローディス教・ロシュフォル教が成立した。 
 こうして人間は大地の覇権を手にし、そして今日まで続く文明を築いた。しかし、不安がなかったわけではない。悪鬼たちが地上を去る際、オウガバトルの再来を預言していたからである。
 聡明な炎神ゾショネルは、フィラーハによる反乱時は彼女の立場は中立でどちらの側にもつくことはなく、オウガバトルと呼ばれた魔軍との戦いでもフィラーハに加勢せず中立を保っている。そうした態度をフィラーハが許すのは天空の神々の中でもっとも力を持つのは自分ではなく彼女であることをフィラーハは十二分に承知しているからだ。
 雷神ネッサローはオウガバトルでは炎神ゾショネルと共に中立を保ち、終結後、彼女の裁きによって魔界に封じられたオウガは数千万とも伝えられている。
 
□十二使徒の証
 
 十二使徒達は力の使い方を間違えば世界を破滅へ導く事などたやすいほど凄まじい破壊力を持った白き魔導の乱用を恐れそれぞれの力を12個の宝石に封印することにした。賢者達亡き後神の教えを正しく受け継ぐ者が現れる時まで、世が乱れ悪鬼が現れる時まで。賢者達の願いを秘めた宝石はいつしか『十二使徒の証』と呼ばれるようになった。
 正義の女神フェルアーナが所持するヤルのタブレットを持つ者こそ十二使徒の証の正統なる後継者とされ、オウガバトル時代から受け継がれた明の秘石『ジェムオブドーン』、真の秘石『オールドオーブ』、知の秘石『賢者の石』。この3つの秘石を集めた者にフェルアーナに会う資格が与えられる。
  第一の証“支配”を司るブラックアゲート
  第ニの証“神聖”を司るイエローベリル
  第三の証“平和”を司るラピスラズリ
  第四の証“聖戦”を司るレッドアンバー
  第五の証“聖母”を司るクロスストーン
  第六の証“統治”を司るオニックス
  第七の証“栄光”を司るターコイズ
  第八の証“知性”を司るマラカイト
  第九の証“勝利”を司るサードニックス
  第十の証“慈愛”を司るアメシスト
第十一の証“栄華”を司るカーバンクル
第十二の証“王者”を司るブディッサイ
第十三の証“破壊”を司るキャターズアイ
(裏切りの使徒の証)
※FFTのゾディアックストーンは元々オウガに登場した12使徒の証の設定だが、ファンタジーの定番ともいえる天界・魔界の門を開く機能と共に使う者によってその効果が異なるという仕組みを盛り込んだとのこと。十二使徒の証に使う者によって効果が異なるという仕組みがあるかは不明。ただドュルーダの魔力を封じる前のキャターズアイで魔界と契約していることから天界・魔界の門を開く機能というのはあるのかもしれない。このドュルーダの事件とオウガバトルの時系列の前後関係は不明で、F版におけるオウガバトル を勃発させたデムンザの策略とはドュルーダに関連する可能性がある。
 
□神話の時代の終焉
 
 オウガバトルが終結した後になっても、人間は争いを止めようとしなかった。 人間に手助けした事を悔やんだ聖なる父は天空に住む、他の神々や戦士たちに下界にかかわるべからずと命じた。それ以降天界の者が下界に干渉する場合大抵は僧侶との契約によってのみ成立する。天使達も下界と関わる事を固く禁じられており、地上に降りるには神から祝福を受け者と天使長が契約を結ぶ必要がある。しかし掟で人間と感情で関わってはならないという。
 下界を哀れんだ三騎士の一人、フェンリルは命令にそむき、いつでも神の助力を得られるようにとひと振りの聖剣を残した。聖剣の名はブリュンヒルド。この剣を持つ者は神と交信できるといわれており、それは同時に天空や魔界を行き来するためにも使用されるという。人々は聖剣を崇め、その剣を密かに隠すことにした。来るべきオウガバトルの再来のために…。
 命令に背いことに怒った神は聖剣を持った者が現れるまでフェンリルを天空の島オルガナへ監禁することにした。以降天界の流刑地だったオルガナは、フェンリルを監禁するための島となる。 ムスペルムはスルスト、シグルドはフォーゲルが治めており、人が天空の三騎士に会うには王道を歩み神から祝福を得て、かつ聖剣ブリュンヒルドが必要となる。
 
炎の騎士レクサールによる大陸統一
 
 神々に戦いを挑み、人類の独立を勝ち取った伝説の炎の騎士レクサール。
 オウガバトルが終わり、荒れ果てた大陸を統一したのはレクサールとされており、民の心を掴む為にオウガバトル伝説の中で登場する神が作った聖杯を用いたという。
 レクサールは十二使徒の証に匹敵するほどの魔力があるという勇者のシンボル『ファイアクレスト』を印としていた。
 ファイアクレストは幻と名高い四風神器を集めた者が手にすることができるという。風の四神が作りたもうた神の武器とは
 東の風神エウロスが兄ノトスを讃えて作ったとされる雷剣『ノトス』
 南の風神ノトスが弟ボレアスの誕生を祝福してつくったとされる炎のオノ『ボレアス』
 西の風神ゼピュロスが対魔神用にきたえたといわれる暗黒剣『ゼピュロス』。
 北の風神ボレアスが兄エウロスの勝利を願ってつくったとされる氷の剣『エウロス』。
 四風神器や『ファイアクレスト』は後幾人もの騎士が栄光を求め探したとされているが見つけた者はいないとされている。
 時の人となったレクサールは仮面の紳士とされており、愛剣は火の剣『レクサソール』、光の精霊アガニスタ族に渡されたブリガンダイン、『アガニスタの光鎧』を身にまとい、銀糸のマントを流行らせたとされている。
※レクサールは神々に戦いを挑み人類の独立を勝ち取ったされているが、フィラーハが下界に関わるべからずと命じたことに関与しているのだろうか 
 
□三神器
 
 聖剣ブリュンヒルドと真の王である事を示す刻印がほどこされた聖杯、慈愛と正義の証とされる聖なる腕輪の3つを三神器と呼び、王国を築こうとする者に重要な役割を果たすという。
 この三神器の内幾度も戦争の原因となったのが聖杯である。古来より不思議な力があると伝えられ見た目はただの杯だが、それを見ているとなぜか心がみたされるという。それゆえ国家をきずく者はみな、その杯を欲し、杯をめぐっていくたびも戦争が起き、 いつしかその杯は『聖杯』と呼ばれ人々に崇められた。
 ※TO初期の企画書における聖杯の設定関連では、タルタロスは聖杯を使いヴァレリアの人々を操る、悪の「聖杯」の力で暗黒道に染まったデニムの実父、デニムが聖杯の魔力に屈しないのは愛しい家族との別離による悲しみが心の原動力となっているため…
 詳しくは不明だが聖杯の使い方によっては人心を操り、人を暗黒道に染めることができると思われる。初期設定のタルタロスは暗黒道を歩む暗黒騎士であり、暗黒道に染まった者が使用するとそういう力を発揮するのかもしれない。

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