□Q版世界観-ゼテギネア神話
  『ゼテギネア神話』は紀元前4000〜3000年頃にバルカン半島東岸、エーゲ海、黒海、カスピ海に囲まれた周辺地域で広く信仰されていた。紀元前3000年頃に小アジアを中心とする地域をヒッタイト人によって統一されるまでは、このゼテギネア神話に登場する神々が崇拝の対象となっていた。それは19世紀の後半に大規模な発掘調査が実施され、その際に出土した古バビロニア期(紀元前1900〜1700年頃)のもので、シュメール語の楔形文字で書かれていた粘土書板『古ゼンダ』から詳細な内容が明らかにされた。(フィクションの設定です)
 ガリシア神話(ガリシア大陸におけるゼテギネア神話)では冥界の王デムンザを含め、全ての神はフィラーハの化身であり、神の子である自分たちに力を貸すためフィラーハが変化した姿である。その他については基本的にはゼテギネア神話と変わらないと思われる。
□始源
 その始源、世界は天と地の区別はなく、スープのような状態であり、ただ虚無だけが満ちていた……。
 一筋の光がその世界に生まれると、光は闇を作り出した。光からガリンガ、闇からはウンディガという二人の巨人が生まれ、互いにいつ果てるとも終わらぬ戦いを始めた。
フィラーハの反乱
 黎明期の天界は圧倒的な力で天神ボラと地神アネムが支配し、悪行を繰り返していた。彼等は、最初の子である炎神ゾショネルをはじめ、太陽神フィラーハ・海神バスク(バセクサ)等の神々を生み出していく。
 太陽神フィラーハや海神バスクら兄弟神は、ボラとアネムの悪行を見かね、天界を賭けた戦いを挑む。永きに渡る苦闘の末に両親を倒したが、ボラはその死の間際最後の力を振り絞り、流れ出る血から一体の神を創造した。目の眩むような輝きを放つ聖なる女神、戦争と勝利の女神イシュタルの誕生である。聖なる光に包まれたその姿は、赤い血の海から生まれたにもかかわらず一点の汚れもなく、重厚な甲冑の下に純白のドレスをまとい、その手に白亜の神聖剣ザンジバルを携えていた。ボラは自分の代わりにフィラーハを倒すよう言い遺し息絶える。父の仇に自らの剣を向けて戦おうとするが、父の悪行をとっさに悟り、恥じてフィラーハに従ったという。フィラーハ達はそんなイシュタルの無垢な清い心と悪を正す正義の心に感じ入り、妹として、また光と戦争の神としてフィラーハが治める新たな天界へ迎え入れた。彼女の尽力により、天界には確固たる正義と厳格なる秩序がもたらされたという。
 また、天と地を司る神の死別によって、天と地は切り離された。その時の軋みによって大地神バーサが誕生する。
□天界の新時代
 新しい天界の王が誕生し、新たな時代を迎えた。
 海神バスクと大気神フォーラとの間に生まれた水神グルーザはイシュタルと同じく甲冑を身に着けて誕生したことと、バスクから苛烈ともいえる勇敢さを色濃く受け継いでいたことから天界では50万の水軍の将としてフィラーハに仕えている。グルーザの恐ろしさが垣間見られるのは夫である快楽神ザムンザが浮気した時である。ザムンザはその名の通り、快楽を旨とする神であり浮気は日常茶飯事。その度に嫉妬に狂い、巨大な竜の姿となって激しい嵐を呼ぶ。その怒りと復讐心はフィラーハさえもたじろぐという。
 大地神バーサは太陽神フィラーハと協力して広大な地上世界に恵みを与え、生命を創造した。
 知神ホルプと正義の女神フェルアーナとの間に生まれ、俊敏さと英知を生まれながらに兼ね備えた風神ハーネラは生まれたばかりの地上世界の繁栄を助ける為大地を踏みしめ、その足跡から地上の風を操る四風神を誕生させた。南風神ノトス・東風神エウロス・北風神ボレアス・西風神ゼピュロスがそれである。ハーネラは地上世界を駆け回り、濃密な大気を吹き飛ばすと暗雲を払って太陽を呼び、四風神に天候を操らせ地上に生命を広げていった。また四風神達は様々な武器を鍛えた。東風神エウロスは兄ノトスを称えてノトス(剣)を造り南風神ノトスは弟ボレアスの誕生を祝福してボレアス(斧)を造り、北風神ボレアスは兄エウロスの勝利を願ってエウロス(ハンマー)を鍛えた。
 神の魔法によって浮遊するという天空の島が神の時代に打ち上げられたという。天空の島はオルガ
ナ・ムスペルム・シグルド・シャングリラの4つで、ゼテギネア大陸の上空を浮遊している。後に下界の争いを嫌い、数多くの人間が天空の島に昇って天空人の祖となった。また天空の島のうちオルガナは天界の流刑地とされた。

□人間とオウガの誕生
 神は自らの僕として人を生み出した。ラシュディの仮説によればその際全ての要求に応えるべく無限の可能性を与えたという。その証拠に魔法力等人間はあらゆる能力を伸ばす事ができる。しかし、神は己を超える可能性を恐れ、その可能性に封印をしたという。封印が解かれた時、異常に魔力が高まり人は人以上の力を手にする。しかし、多くの人は力の解放と共に、その心と肉体を冥い感情に囚われる。冥い感情に支配された状態を暗黒道に堕ちた状態といい、欲望にのまれ、狂気に走る。人以上の力を手にするには、強い精神力をもって、自らの心と肉体を制御しなければならない。冥い感情の制御は難しくちょっとした気の緩み、ちょっとした出来事で人は暗黒道に堕ちてしまう。力だけを信じ必要以上に力を求めると暗黒道に堕ちるとされており、それ以外に封印を解く方法として魔界の果実を食すという方法がある。
 神々が人間を創造した頃、魔界では悪魔達が悪鬼を生み出し下僕とした。悪魔の一種であり、人間とは全く別の生き物とされ、光より闇、愛や正義よりも力と戦いを好む。悪魔の代名詞や悪魔の親族、魔人族とも言われるが人間と祖は同じであり、実際は豊かな大地で生きる人間と荒廃した大地で憎しみに支配され生きるオウガ、違いはそれだけだという。その為か絶望した人間がオウガと化す場合もある。
 魔界の住人達の祖もまた人と同じであり、悪魔が醜い姿をしているというのは間違いで多くの場合外見は人間と変わらない。魔界の果実を食した者を生贄とする方法や人間の魔法使いによって悪魔達を地上に召喚することが可能である。
 高位の魔界の住人や暗黒道に堕ちた人間は強い冥い波動を発し、人の内に潜む冥い感情を引き出すと同時に封印を解き、その者を暗黒道に引きずり込む。影響力は魔界の果実の比ではなく、魔界の果実で封印を解いた者達の精神力をもってしても暗黒道に堕ちることがある。
古代ボルセニア期
 まだ人類が文明を持たぬ古代ボルセニア期、ゼテギネア大陸とその周辺に古代高等竜人族が築いた巨大文明が存在した。彼等はゼテギネア期に続く魔法文化を築いたが、彼等の滅亡と共にその多くは失われた。
 人々の知る魔法とは全く原理・系統の異なる力、神や精霊の力を借りることなく発動する竜言語魔法の呪文書がゼテギネア当時古代の遺跡から稀に発見されている。
□神と人の時代
 神と人間は互いに交流し合い、ここに神と人の時代(神話の時代)が幕を開ける。
 神と人間を仲介する者として神の意思より天界から地上に天使が派遣される。 天使とは神の秩序を守る神の使徒であり、主なる神のため、そして神が愛を注ぎし人間のために生きる存在。後のオウガバトルでは神の使徒として、人間とともにオウガと戦ったとされる。
 天使は神の命に絶対服従であり、それに逆らうことは、すなわち罪。罪を犯せし天使に与えられる罰は堕天。天使は自らの存在に疑問を抱いた瞬間、堕天する。堕天した天使は天界を追放され翼と環は黒く染まりダークエンジェルとなる。心の中で完全に神を裏切らなければ天界を追放されてもダークエンジェルとはならないケースもある。
 また戦士として修練をつんだ心清き人間のみが死後、天使(エンジェルナイト)に転生することがある。
天空の三騎士
 天空の島の一つ、シグルドで一つの事件がおきた…
 フォーゲルという名の騎士がいた。彼は才能ある騎士だったが同時に鼻持ちならない自信家でもあった。例え騎士団のナイトであっても彼から見れば赤子同然。彼は最強の騎士だった。彼は更なる力を求め、そしてついに暗黒道を極めた。彼はより強い相手を求め世界を旅し、天竜と呼ばれる幻のディバインドラゴンが住むという天空の島・シグルドにやってきた。彼とディバインドラゴンの戦いは7日7晩にも及び、フォーゲルが勝利した。しかし、天空人達はドラゴンの呪いを恐れ喜ぶ者等いなかった。呪いはドラゴンの死と同時に始まった。シグルドの大地を破壊し、島を北と南に分断してしまった。破壊だけではなく、彼の姿は呪いによって竜人に変えられた。その後、フォーゲルは罪を償う為、神の命令によって天空の騎士となった。更に下界の戦乱で戦った勇者、赤炎のスルストと氷のフェンリルが天に召され、フィラーハから永遠の命が与えられ神の戦士に生まれ変わった。フォーゲル・スルスト・フェンリルの三人は天空の三騎士と呼ばれるようになった。光と戦争の神イシュタルは天空の三騎士を称え、赤炎のスルストに長剣ザンジバルを贈った。
裏切りの使徒
 天界で一つの事件が起こった。
 愛と慈悲の心を魔力に変えることができる白き魔導師、善なる心を神に認められた十二人の賢者達。神に仕える者の証として一つずつ神の力を秘めた宝石を持っていたという。十二使徒の中で最も優れた賢者ドュルーダは白き魔導を極めると更なる力、暗黒の力を求めた。ドュルーダを恐れた他の賢者達は彼の魔力を一つの魔石に封じ込めた。ドュルーダがその後どうなったか不明だが、天空の三騎士は新たにひとりの賢者をむかえ、十二使徒とした。
 ドュルーダの魔力を封じた魔石キャターズアイは裏切りの使徒の証であり、“破壊”を司り、猫の目のような光を放つ神秘の宝石。それを手にした者は強力な魔力を手にするだけでなく、魔界の神々と自由に契約でき、どんなモンスターでも呼び出すことができるという。それ故神々の手で天界の奥深くに隠された。
□真説 バーサ・ダニカ神話
 人がその手で社会を作り出した頃、バーサはある人間の王に恋をする。ガリシア大陸の後にパラティヌスと呼ばれる地域を治める古の王である。神の掟により人との契りは禁じられていたが恋に囚われたバーサは、古の王との間に子供をもうけてしまう。
 娘『ダニカ』はバーサと同じく『豊穣』の力を持ち、王の治める大地に繁栄をもたらした。これを見ていた魔界の王にして冥界の王でもあるデムンザはダニカをたぶらかし、冥界に連れ去ってしまう。
 娘を奪われたバーサと王の悲しみは、地上を冷たく作物の育たぬ世界へと変えてしまったがその涙が枯れた時、バーサはダニカを取り戻す事を決意する。バーサは冥界へと続くカオスゲートを開き、王と共に冥界へと下った。バーサが冥界に行き来した時冬が発生し季節ができたといわれている。
 デムンザはバーサに対し、ダニカを返す条件として『魔界に恵みを与えること』を要求した。それを受け入れたバーサは、ダニカと共に痩せた魔界の大地に恵みを与え、デムンザの手からダニカを取り戻す。しかし、ダニカは魔界の果実<ざくろの実>を口にし、デムンザの妻としての契りを結んでしまっていた。魔界に属した為に、天界へと戻ることも出来ないダニカ。それを不憫に思った王とバーサは、静かに眠るダニカの身体を五つに分け、心を司る体だけを地中深くに封印したのだった。
オウガバトル
 Ogre Battle Saga Episode 1
 デムンザはバーサから得た恵みを糧に、魔界と地上をつなぐカオスゲートを開いて地上への侵攻を始める。ここに端を発し、人間達をも巻き込んだ神々の大戦争、『オウガバトル』が勃発する。冥界の公爵、暗黒神アスモデはデムンザの命によりオウガと呼ばれる悪魔108部隊の筆頭として地上界へ侵攻。天界の王フィラーハに戦いを挑む一方でオウガに人間を襲わせ大規模な殺戮を行っていく。アスモデはその暗黒の力で地上世界に暗雲を呼び、天界と地上界の交信を絶つ。また自ら発する冥い波動で、多くの人間を次々と暗黒道へ堕としていった。
 不安定な人間のためかオウガバトル時代に聖杯が神によって創造されたとされている。見た目はただの杯だが古来より不思議な力があると伝えられ、見ると何故か心が満たされるという。いつしかその杯は『聖杯』と呼ばれるようになり、人々に崇められたという。
 人間の助力のために数多の神々・天使達が戦いに参加した。
 神は愛する人間の為に、大天使シャヘルに対して人間のために戦い、人間のために死ねと命じた。シャヘルはその命に不満を持っていた。シャヘルは神を愛していた。神が人を愛するように自分も愛されたいと望んでいた為である。それでも愛する神の期待に応えるため、神聖剣アンビシオンを手に戦い続けた。
 グルーザは50万の水軍を率いて勇敢に戦い、「水にあっては無敵のグルーザ」と敵である魔族に畏怖された。グルーザは味方を水の持つ神聖さで清め、慈母のごとき優しさで援護し、敵に対してはその浄化作用で魔力を払い、悪魔も恐れおののく勇敢さで戦った。
 ハーネラは戦術行動の早さでは他の追随を許さず、四風神を率いて疾風怒濤の戦いぶりを発揮。敵軍をして「神速とはこのことか」と言わしめ、「疾風のハーネラ」の異名をとった。
 女神達の善戦にも関わらず戦況は思わしくなかったが、天空の三騎士は著しい戦果を挙げていた。ハーネラはこの栄誉を称え、西風神ゼピュロスが天空の三騎士を称えて対魔神用に鍛えた槍、ゼピュロスを三騎士の一人フォーゲルに贈った。ザンジバル・ゼピュロスによって神と同等の力を授かった三騎士達は、一度は戦線を押し戻したが際限なく送り込まれる悪魔達の前に、徐々に後退を余儀なくされていくのだった。
 戦いは何千年にも及び熾烈を極めた。軟弱な人間は悪鬼たちの圧倒的な戦力の前に成す術なく、多くの人間が殺され、カストラート海に追い詰められる。人間は滅亡の寸前まで追いやられた。さらに勢いに乗って攻勢に出る悪魔達。すでに勝敗は決したかに見えた。
 そこで、フィラーハは天界から十二人の賢者を召還し、三騎士と共に大地と魔界をつなぐカオスゲートを封印させ、悪魔の助力を断ち切らせた。瞬く間に形勢は逆転した。帰る場所を失った悪魔達は次々と神に封印されていく。デムンザに従い悪魔やオウガを統べた破壊神ディアブロはシャリーア島に封印。108の部隊を失った暗黒神アスモデは最後まで臆せずに戦ったが勢いを得た神々と人間達の前についに力尽きた。しかし封印される寸前、アスモデは不吉な予見を残す。いつの日か「オウガバトル」が再来すると……。ところがオウガバトル以降は他の魔神と比べて穏やかで、地上に闇の力を送り続ける程度である。錬金術師ガッサムにギャンブルで負けたことが原因で人間に手を貸すこともあり、暗黒を司る神として人々に信仰されることになる。
 最後まで抵抗した魔界の将軍、暗黒のガルフはアンタリア大地に逃れるも、結局は天空の三騎士に魔力を封じられアンタンジルに封印された。その際、魔界と契約した者達をイノンゴに閉じ込め、北の山々に沿って封印を施した。契約した者とその末裔は封印の外に出ることができなくなった。
 こうして、ついに人間が勝利した。人間は大地の覇権を手にし、今日まで続く文明を築いたのである。しかし不安がなかったわけではない。悪鬼たちが地上を去る際、アスモデと同じくオウガバトルの再来を予言したからである…。
□十二使徒の証
 戦いを終え、三騎士は天空へ戻る。十二人の賢者たちは野に下り地上人に多くの知識を与え、神の教えを広めた。そのことから神の十二使徒と呼ばれるようになった。彼ら十二使徒の教えはフィラーハ教の原型となったと思われる。その後十二使徒は白き魔導とはいえ、その凄まじい破壊力を恐れ、それぞれの魔力を十二個の宝石に封印することにした。賢者たち亡き後、神の教えを正しく受け継ぐ者が現れるまで、世が乱れ悪鬼が現れる時まで。賢者達の願いを込めた宝石はいつしか十二使徒の証と呼ばれるようになった。十二使徒の証の正当後継者は正義を司る女神フェルアーナに託された神の弟子ヤルの教えを刻んだ石版ヤルのタブレットを持つ者とされた。フェルアーナは天空の島シャングリラの神殿におり、彼女に会うための資格として3つの秘石、明の秘石ジェムオブドーン・真の秘石オールドオーブ・知の秘石賢者の石が必要である。これらの秘石はシャングリラ城に財宝として保管されることになった。
 
  第一の証“支配”を司るブラックアゲート:Garnet
  第ニの証“神聖”を司るイエローベリル:Amethyst
  第三の証“平和”を司るラピスラズリ:Aquamarine
  第四の証“聖戦”を司るレッドアンバー:Diamond
  第五の証“聖母”を司るクロスストーン:Emerald
  第六の証“統治”を司るオニックス:Pearl
  第七の証“栄光”を司るターコイズ:Ruby
  第八の証“知性”を司るマラカイト:Peridot
  第九の証“勝利”を司るサードニックス:Sapphire
  第十の証“慈愛”を司るアメシスト:Opal
第十一の証“栄華”を司るカーバンクル:Topaz
第十二の証“王者”を司るブディッサイ:Turquoise
第十三の証“破壊”を司るキャターズアイ:Gem of All
(裏切りの使徒の証)
 
海を渡ったボルマウカ人
 
 ガリシア大陸より南の大陸に住んでいた民族、ボルマウカ人は神に導かれオウガバトルに参加し類希なる戦闘力を認めら れる。彼等は海を渡り永き旅を経て、後世ライの海周辺に辿り着き豊かな大地にニルダム王国を興す。
 またボルマウカ人は三騎士の一人スルストを輩出した民族でもある。
大天使シャヘルの反乱
 大天使シャヘルはオウガバトル後も争いを続けるにもかかわらず、それでも神に愛情を注がれる人間への嫉妬が抑えられなくなっていた。人を妬んだ天使は、その妬みの暗い心によって闇のものへと変わってしまう。神に振り向いてもらいたいと反乱を起こし、自らの存在に疑問を持ったシャヘルは堕天し始める。そのまま堕天し魔の者になることを哀れんだ光の神は、完全に堕天する前に片方の角を折って力を奪い、永遠に悔い改めよと二度と外に出られぬようにオウィス島北方のウルトゥル山脈に封じた。オウィス島は神の創った牢獄であり、山は神の降り立つ地、神の住む処、天と地のはざま、境界の世界。オウィス島はそんな不安定なところにある場所である。神は堕天使の角から聖槍ロンギコルニスを作り出し、それによって堕天使の封印をより強固なものとした。
□炎神ゾショネル
 天界を震撼させた一連の出来事に対して中立を貫き通し、沈黙しつづけた女神がいた。発展と破壊を司さどる炎神ゾショネルである。炎を自在に操るその絶大な力は、天界を統べる太陽神フィラーハや冥界の王デムンザさえも凌ぐといわれている。炎に包まれた妖艶な姿もさることながら、戦いにおいては最大最強。世界のすべてを無に帰すまでの力を生まれつき持っていた彼女は、その力を恐れ、重厚な仮面と鎧を身に着けることで、その美しい姿と強大な力を本心と共に永久に封印してしまった。
 沈黙を続けるゾショネルの態度にフィラーハや他の兄弟神達は苦々しく思いながらも、それをただ黙認するしか手立てはない。世界最強の神に意見できる力を持つ神など存在しない。
 ひっそりと隠遁生活をしている彼女だが、自分に助けを求め、自分の強大な力が本当に必要とされる時、その仮面と鎧を脱ぎ捨てて救いの手を差し伸べるという。まだその時は来ないのだ
□神話の時代の終焉
 オウガバトルが終結した後になっても、人間は争いを止めようとはしなかった。勝利に溺れる人間は、“争い”は次の文明を生む“礎”だと語る。人間に助力したことを悔やんだフィラーハは、天界に住む他の神々や戦士たちに下界と関わることを禁じた。フィラーハの命により全ての神々は天へと戻っていった。バーサは亡き王の大地に山々を創り、それを天へ戻る為の道としたのだった。(これにより人と神の時代は終焉を迎える)
 フィラーハが下界との干渉を禁じた後も、僧侶との契約があれば天使は人間に干渉することができた。人間が天使達を呼ぶには神からの祝福を受け、天使長と契約を結ぶ必要がある。また天界には、人間と感情で関わってはならないという掟があり、人間もそれに従わなければならない。
□聖剣ブリュンヒルド
 下界を哀れんだ三騎士の一人フェンリルは命令に背き、いつでも神の助力を得られるようにと一本の聖剣を残した…。・
 聖剣の名はブリュンヒルド。この剣を持つ者は神と交信出来ると言われており、それは同時に天空や魔界を行き来するために使用されると言う。人々は聖剣を崇め、その剣を密かに隠すことにした。来るべきオウガバトルの再来のために…。
 この行為に激怒したフィラーハによって、フェンリルは天界の流刑地オルガナに監禁された。聖剣を持った人間が現れるまでオルガナから出る事を禁じたのだった。以降オルガナは罪人ではなくフェンリルの流刑地となっており、オルガナの民は罪人ではない。
□三神器
 聖剣ブリュンヒルドと真の王者の証とされる聖杯、慈愛と正義の証とされる聖なる腕輪の3つを三神器と呼び、王国を築こうとする者に重要な役割を果たすという。
 この三神器の内幾度も戦争の原因となったのが聖杯である。聖杯を持つ者は神に祝福された者、それが聖杯の力であり、真の王の証。それ故国家を築く者はその杯を欲し、杯を巡って幾度の戦争が起きたとされている。
炎の騎士レクサール
 オウガバトル後、荒れた大陸を統一したのは炎の騎士レクサールである。彼は聖杯を手に入れ、人心をつかんだという。また彼は四風神が作った幻と呼ばれる四風神器(エウロス・ノトス・ゼピュロス・ボレアス)を見つけた者に授けられるという勇者のシンボル・ファイアクレストを紋章にしていた。これらによって大陸を統一したといわれている。
 聖杯は長い年月が過ぎた後、神帝グランが聖杯伝説の伝わるクリューヌ神殿で発見し、聖なる腕輪と共に王国の統治の為に使用したといわれている。
 四風神器は後世の幾人もの騎士が探索に出かけたが発見した者はいないという。
□神々の系譜


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