世界観

イヴァリース
 イヴァリースと呼ばれる世界の物語。
 複数の大陸や様々な人種・国家、未開の地が存在する広大な世界、街に数多の亜人種が混生し、言語も多数あり、偏見や様々な価値観がある。人権の保障されていない世界で精神的に未熟な世界。国家間の紛争や異種族間の衝突から常に争い続けている。また現代のように完璧に国境で線引きできない時代。文明は発達しているが豊かな自然と共存し、未知の地域や危険な場所もまだまだ多く、移動手段として飛空艇は人々の生活に欠かせないものとなっている。地域間の交流など盛んなようで、空にはいつも多くの商船や貨客船でにぎわっている。
 古代ヨーロッパ、アラビア文化、それ以外の諸国の文化が入り混じった地中海がモチーフ。基本的には剣と魔法の世界で時代背景は16〜18世紀の中世ヨーロッパ、錬金術が科学より発達して世界の法則として広まったというイメージ。
 バレンディア・オーダリア・ケルオンの三大陸により構成される地域をイヴァリース地域と呼ぶ
。FF12の舞台はダルマスカ王国が統治していたガルテア半島を中心として三大陸にまたがった 下のマップの囲われた部分。



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 松野氏がスクウェアに入社した1995年頃考えた大きな世界観で、面積も広大で長い歴史を持つ1つの壮大な世界。架空世界で歴史や文化など先に設定し、その世界の中で実際にあったかのような事件をドラマとして描いていくのが自分の手法だという。FF12はいわば壮大なイヴァリース史の一片。FFTAとFF12も世界的な意味では1つの大きなものとして一致。松野氏の中ではFFTとFF12も構想上続いており、FFTはFF12のもっと未来のイヴァリースの話。世界観的に一連のつながりはきちんとある。FFTでも亜人種を使いたかったが制作進行上の理由で没になったらしい。しかしイヴァリースありきではなく、FF12でイヴァリースを楽しんでもらい、さらに追い求めようとすると、もっと奥があるという考え。それぞれ独立したゲームであり、FFTやFFTAを遊んでいなくてもFF12は楽しめるとのことなのでストーリー的な繋がりはないものと思われる。
 崎元氏のインタビューにおいてFFT・FFTAの曲を意識したかどうかという質問に対して、当初FFT・FFTAとははなるべく関連させる方向だったが制作の段階においてゲーム中ではそれほど密接なつながりはなくなった、そのため最終的にはあまり意識しなかったと答えているが曲に限った話なのかどうかは興味深いところ。
□FFTAとFF12
 FFTAで主人公達が遊んでいたゲームがFF12という設定。舞台となる世界の名前は同じであり、似た部分も多いが設定的関係はなく、パラレルワールドというか全く別物の世界、FF12をプレイした子供達が現実逃避して作り出した架空世界であるため一部同名の地名や人物等も登場する。
 またFFTAで世界を一変させた"究極の幻想"(Final Fantasy)とも呼ばれる
魔導書グラン・グリモアは、古代キルティア時代をうかがい知る手がかりであり、FF12でも登場する一部の種族の記述があるものと思われる。しかし別世界の話であり、設定的なつながりはなく、またベイグラの古代キルティア時代とも関係はないらしい。
キルティア教The Light of Kiltia,the Kiltia sect
 古来イヴァリースには平和と自由を象徴する女神への信仰が多数存在し、土地・部族によって祀り方が異なっていた。
 前バレンディア暦700年代より2000年ほど前、予言者キルティアはその女神を光の神ファーラムと規定、オーダリア各地の民族宗教を二元論で体系化しキルティア教が成立。光の神・善神ファーラムを主神とする多神教で多くの神が存在する。
 開祖キルティアは布教の旅を続けた後にブルオミシェイスへ身をよせ、教えを広めていく。後世に信者達が神殿を築き上げており、ガルテア連邦時代に書かれた歴史書には既に神都の記述がある。教えはキルティアの死後も失われることなく、イヴァリース全土へ浸透。一部イヴァリース地域外であるユトランドにも広まっている。キルティア教徒は自身をキルティアス
Kiltiasと呼び、教会の最高権威は大僧正Gran Kiltias往古の知識に精通したン・モゥ族達が長老としてキルティア教徒を導いているという特徴もある。またキルティア教の高僧は「魔導師」と呼ばれる高位の魔道士である。
 教徒は信仰の動作としてホーリーウィン(聖印)を切り、ファーラムと唱える。ファーラムと唱える行為はグレバドス教でも行われる。聖印を切る行為はベイグラントストーリーのヨクス教でも同様だがこれはファンサービスである模様。、
 各方面に多大な影響力を持つキルティア教会chrches of Kiltiaだが、政治へ介入することはない。当初は大衆への布教も盛んで一時は政治的権力を持ったキルティア教会だったが、ファーラムのもとで平等を主張した為支配者層に睨まれ弾圧対象となる。この反省により俗
世間から離れた個人の精神修養を勧める方向へ方針を転換、弾圧を恐れて政治的権力を放棄。以後、司祭以上の役を持つ者の政治介入を禁じ、各地の為政者とは互いの領地への不可侵協定を結んでブルオミシェイスの独立を保っており彼等は武力を持たない。前バレンディア暦706年当時には大衆層にはそれほど浸透しておらず、一種の教養として支配者層・富裕層に受け入れられている。
 政治的権力を放棄したとはいえ一部国家との繋がり自体はあり、
レイスウォール王当時の大僧正は王から覇王の剣を委ねられミリアム遺跡に封じている。前バレンディア暦700年代当時神都ブルオミシェイスの大僧正はナブラディア(704年滅亡)・ダルマスカ(704年滅亡、706年復興)の王位継承者を承認する役目を持つ。
 信者の寄付で支えられており以前はナブラディアやダルマスカからも援助があった。特にダルマスカ王家は熱心な信徒でラバナスタの大聖堂を寄進されている。しかし両国滅亡により援助が途絶える。避難民が増え、巡礼に訪れる信徒は減っている為資金難に陥いった。
 前バレンディア暦706年、神都ブルオミシェイスがアルケイディア帝国に襲撃され、大僧正アナスタシスの死により新しい大僧正を決めなければならなくなるがよい候補がおらず存亡の危機に追い込まれる。その後ファーヴニルとの戦いで戦死したキルティア教徒イーハの意志を知ったレメリーがヒュムを率いてブルオミシェイスの復興に手を貸す。ヴィエラがヒュムを率いて働くという滅多にないことが起き、人々は神都の復興に動き出す。
 新たな大僧正を選出後も中立を貫き、上流階級からの支持も変わらない。
 これより数十年後、聖女アジョラがファーラムを唯一神とする新しい宗教(後のグレバドス教)を興し、勢力は衰退していく。
※補足・考察
 死の天使ザルエラは詳細不明ながら裏設定でギルデンスターンとされており、行使するレベル素数デスで登場する髑髏の額にホーリーウィンが刻まれている。 これらの設定は松野氏は関与してなさそう。
錬金術
 前バレンディア暦706年当時、科学より発達し世界の法則として広まったというイメージ。
 錬金術師は火の力を創造のための加護として崇めている。
錬金術師
 エリクサーを作ることが目標であるが、材料を教えてはいけない規則がある為皆自力で探し続けるしかない。
■火の元素
 火の力は多くの生物に力を与え、時には新たな知恵が手に入るきっかけともなる。そのため錬金術師たちは火の力を創造のための加護として崇めている。
ネクロマンサー
 永遠の命を求めて禁断の実験を行う錬金術師により、生贄として捧げられた知恵ある者たちの末路。
■交易品
 おたからと呼ばれる素材を錬金などを使い作られる加工品
■おたから
 
ウジのわいた肉・キマイラの首・くさった肉・修羅の骨・死竜の骨・ただれた死肉・ネズミのしっぽなどが錬金術で使用される。
□文字
■イヴァリース文字
 モブハントの手配書やワールドマップに書かれている文字。大文字と小文字が存在。
■古代の文字
 召喚の魔法陣やレイスウォールの書き残した壁の碑文に刻まれた古代の文字。大文字と小文字が存在する。
 ゲルモニーク聖典は
古代神聖文字で書かれていたというが、この文字と同じものだろうか。

Raithwall

illusion
■その他の文字

 各地の店などに記されている文字で一般的にイヴァリース地域の舞台となっているダルマスカ・アルケイディアで使用される文字と思われる。上記はダルマスカ王国の旗に記されている文字でDalmasca Kingdomと書かれていると思われる。
畏国語
 聖アジョラの時代と近いと思われることからオーダリア大陸南西部には既に存在している可能性がある。しかし地域が離れているためか見かけることはない。FFTでも他国で別の文字が使用されていることは示唆されている。

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