□聖アジョラの時代
 …かつて、何艘もの飛空挺が大空を飛び天を埋め尽くし、街には機械仕掛けの人間がいた黄金の時代…。
■聖アジョラの神話
 ルザリアのベルベニアに生まれた聖アジョラは生まれるとすぐに立ち上がり、井戸まで歩くと、「この井戸はもうすぐ災いがふりかかる。今のうちに封印し、人が飲まぬようにしなければならない。」と予言したという…。
 数日後、ベルベニアを黒死病が襲い、汚染された井戸水を飲んだ人々は次々に病に倒れて死んだ。しかし、聖アジョラの言葉を信じた家族だけは病にかからずに生き延びることができた。以後、聖アジョラは、混乱した人間界を救おうと神の国より遣わされた“神の御子”“奇跡の子”と崇められることになった。
 そんな聖アジョラが“救世主”となり、“神の一員”として天に召されることになったのは、二十歳のときだ。
 イヴァリースの覇権を狙うランベリーの王が魔神を召喚し世界に混乱を招いた。聖アジョラは伝説と同様に十二個の聖石を集めるとゾディアックブレイブを結成し、魔神を倒した。しかし、いつの世にも執政者にとって“英雄”ほど邪魔な存在はいない…。
 神の国の到来を説く聖アジョラの台頭を恐れた神聖ユードラ帝国はその一派を捕らえるために挙兵した。
 当時、もっとも大きな宗教であったファラ教の司祭たちは聖アジョラの力を恐れたのだ。結局、金に目のくらんだ十三番目の使徒・ゲルモニークの密告によって聖アジョラは捕らえられ、ゴルゴラルダ処刑場で処刑された。
 しかし、聖アジョラは“神の御子”。神の怒りがファラ教の司祭たちを襲った。処刑の直後、ファラ教の本拠地ミュロンド(Return to Ivaliceでは神々の都とされている)は天変地異により海中に没したのである。
ゲルモニーク聖典
 聖アジョラの弟子・ゲルモニークが古代神聖語で記した聖アジョラの活動記録ともいうべき書物。幻の書物といわれていた。。
 その存在が語られていたにも拘わらず、長い間行方不明で誰の目にも触れることはなかったが、オーボンヌ地下書庫からシモンによって発見、長い年月をかけて解読されている。
 ゲルモニーク聖典には“神の御子”聖アジョラとは違う一人の人間としてのアジョラの行動が記されている。
 アジョラは“神の御子”などではなく、ただの人間であり、野望を抱き、おのが夢の実現のために戦った革命家だった。しかも、彼は平和を愛し、他人のために命を賭して戦うような勇者ではなかった。
 キルティア教で主神となっている光の神・善神ファーラムを唯一神とする新しい宗教を興し新興宗教の教祖として信者を増やしていたアジョラは、神聖ユードラ帝国にとってはただの厄介者でしかなかった。しかし、アジョラはそうした宗教家としての“顔”だけではなかったようだ。敵国に侵入し情報収集と撹乱を行う工作員。帝国と敵対する国家の間者(スパイ)だったのだ。
 アジョラを恐れた帝国が、間者である証拠を掴むためにゲルモニークを送り込んだ。ゲルモニークもまた、アジョラの動向を探るために帝国から送りこまれた工作員だった。
 アジョラがゾディアックブレイブを再結成しようとしていたのは事実らしく、実際に聖石を数個発見したことをゲルモニークは確認している。だが、再結成における意味は不明。若きランベリー王が本当に魔神を召喚したという記録も存在しない。
 ゲルモニークの密告によって聖アジョラは捕らえられ、ゴルゴラルダ処刑場で処刑された。アジョラの死とほぼ同時期にミュロンドを天変地異が襲い、ミュロンドの大半が海中に没したのは事実である。この天変地異は聖石によるものといわれる。
 またこれより約12世紀後の
獅子戦争まで聖石を見た者はいないとされている。
 これが真実なのか、聖アジョラの偉業を貶めるために捏造したものか。神学者シモンによると、彼が異端審問官として教会の仕事に従事していた頃、多くの異端審問官がこの本が世に出ることを恐れていたという。
 聖アジョラの死後、彼の偉業を利用し権力を手にしてきた教会がなさねばならぬことはただ一つ、聖アジョラを神格化し、神と一体化させることであった。それには都合の悪い点を歴史に残してはならない。
 聖アジョラは『神の御子』でなければならない。そのために、畏国で幅広く信仰されているゾディアックブレイブの伝説を利用し、実際には存在しないランベリー王の召喚した魔神を倒したのは聖アジョラ率いるゾディアックブレイブだと民衆に信じ込ませたという。しかしルカヴィの存在についてシモンは言及していない。ゲルモニーク聖典に全てかかれていなかったか、あるいはまだ全て解読されてなかったのだろうか。
※処刑直後、聖天使アルテマとの融合が果たされたと考えられる。詳細は不明だが、ラムザの先祖が海中に没した死都ミュロンドで聖天使を倒した為、アルテマの魂は飛空艇の墓場で漂うことになった。
 聖天使達を倒した者達に子孫がいることから彼等は魔方陣を使ったデジョンでオーボンヌ地下書庫から脱出したのだろうか。ルカヴィは入口が存在することは認識していたものの、死都ミュロンドへの入口であるオーボンヌ地下書庫の魔法陣の存在を知らず、ゲルモニーク聖典に書かれた古代呪文デジョンも知らなかったので、恐らくアルテマと戦った者の手によって作られたと思われる。
 またゲルモニーク自身が聖天使アルテマとの戦いに関わった可能性がある。
魔法陣
 誰が作ったのか不明だがオーボンヌ地下書庫最下層には死都ミュロンドへの門である封印された魔法陣がある。ゲルモニーク聖典に記された古代呪文「デジョン」を発動することで、時空を超えて聖地・死都ミュロンドの入り口(死都ミュロンドに設置されている魔法陣)へと転移することができる。
 魔法陣には12個の聖石の名称やサーペンタリウスを除く獅子戦争で登場したルカヴィの名前が畏国語で記され、ルカヴィの名前の下には紋章のようなもの(黄道十二宮の紋章?)が配置されている。円の外にはベイグラントストーリーで炎・水・土・風の精霊として名前が出てくるサラマンダー・ウンディーネ・ノーム・シーフの名が記されている。サラマンダー・フェアリーは召喚獣としてFFTで登場しており、登場しないノーム・ウンディーネの綴りは複数形になっている。

オーボンヌ地下書庫最下層の魔方陣


死都ミュロンドの魔方陣

補足
真中の文字は?OUTHになると思われる。SOUTHだろうか?
またSTERはSTARと間違った可能性がある。ARIESがERIESと書かれていたり、HASHMURIMがHASHMARIMとなっているので。ADRAMELECHは長いので省略されたのかADRAMECHになっている。

デジョン
 
ゲルモニーク聖典に記された時空を超える古代呪文聖アジョラの時代と近いと思われる前バレンディア暦700年代にはデジョンという魔法が一般に流通している。また同時期にイルーアがデジョンを使用しユトランドから禁域ゼレイアに転移している。その際はFF12で登場した古代文字で描かれた魔法陣が登場している。
 FFTAでは入手不可だがクエストアイテムとして存在し、
時神ゾアーラ(=時の神ゾマーラ)の秘術が記された書で時空をこえる力を得られるとされている。
「…ファルオス・ケオス、デ・バンダ・ゾーダ、ラムド・フェオリオ…。(A2)
「…
ファルオス・ケオス・デ・バンダ! ゾーダ・ラムド・フェオリオ…(FFT)
「我は時の神ゾマーラと契約せし者、悠久の時を経てここに時空を超えよ、我にその門を開け! デジョン!!
 ...Fareth Kaos De Vanda!! Zoeda Remdo Feolio...
 I am the one together with the Time God Zomala who can open this gate! Dejeon!!

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